2重スリット実験(2)


●実験A,Bの考察
ここまでの実験A,Bの結果から、考察してみよう。

まず、実験Aでは、「干渉縞」ができたので、「電子は波」だという結論になった。

一方、実験Bでは、スクリーン上には「点」となって観測され、また、2つのスリットのうち、ひとつしか通り抜けないのだから、「電子は粒子」だという結論になった。

さぁ、実験A,Bでまったく違った結論になってしまったわけだ。

ところで、本当に、実験Aの結果は、「電子が波」ということでしか起こりえず、実験Bの結果は、「電子が粒子」ということでしか起こりえないのだろうか?

実を言えば、そんなことはない。
強引に考えれば、電子が、波でも粒子でも、実験A,Bの結果を説明することは不可能ではない。

それぞれのケースについて考えてみよう。

ケース1)電子がもし波だったら
電子が波だとすれば、実験Aはなんの不思議もなく説明できる。

問題は、実験Bだ。
だが、電子1個分の波が、「ものすごく細くて小さい波」であるとすれば、2つのスリットのうち、一方のスリットしか通り抜けなかったことを説明することは可能である。また、「ものすごく細くて小さい波」だからこそ、スクリーン上に「点」として記録されたのだと説明することもできる。したがって、電子が波であっても、実験Bは説明がつくのだ。


ケース2)電子がもし粒子だったら
電子が粒子だとすれば、実験Bはなんの不思議もなく説明できる。

問題は、実験Aだ。
だが、実験Aは、大量の電子を放出しているという前提があるのだから、大量の粒子が、「2つのスリット」を通り抜けているということになる。したがって、スリットAを通り抜けた粒子の大群と、スリットBを通り抜けた粒子の大群がスクリーンの手前で、ぶつかり合っていることは容易に想像がつく。
そして、そのぶつかり合いの結果、なにか未知の現象が働いて、スクリーン上にシマ模様を作り出したのかもしれない。
大量の粒子がぶつかり合ったとき、粒子たちは、シマ模様ができるように、お互いをはじき飛ばしたのだ
という未知の仮説を持ってくれば、電子が粒子であっても、実験Aは説明がつくのだ。

以上のように、電子が、波であっても、粒子であっても、実験A,Bの両方とも、強引に、説明をつけようと思えばできる。

たとえ、強引で苦しい説明だったとしても、少なくとも「電子は波で粒子です」とヘンテコなことを述べるよりは、健全な理論のように思える。

だったら、なぜ、「電子は波で粒子です」などのようなヘンテコ理論を持ち出さないとならなくなったのか。

それは、実験Cが、どうしても説明つかなかったからだ。

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