散逸構造論(3)
エントロピー増大の法則に逆らって、偶然、局所的に小さな秩序を作ることがありうる。これを「ゆらぎ」と呼ぶ。
プリゴジン以前の科学では、この「ゆらぎ」という小さな秩序、小さな偶然は無視されてきた。
「はぁ?全体のなかの一部が、ちょっと秩序を作ったからといって、何が起こるんだよ?そんなのすぐに壊れるだろう?」
それは、そうだ。実際に、確率論で考えたって、そんな小さな偶然は、すぐに巨大な全体の中に、かき消えてしまう。
だが。事実は違ったのである。
たしかに、その小さな秩序は、無視できるような小さな影響しか持たないが、それでも、自分の周りの粒子たちに、少しだけ影響を及ぼす。
そして、その小さな影響は、その隣りの粒子に影響を与え、さらに、そのまた隣りの粒子に影響を与え……と、次々と連鎖的に影響が伝わっていく。
これにより、その秩序を中心とした、ちょっとした小さな渦巻きを生むことがある。つまり、小さな秩序が、全体の構造に影響を与えたということである。
もっとも、その渦巻きは、すぐに消えてしまうような本当に小さなものだ。
問題はここからだ。たまに、条件が合えば、その影響された全体(渦巻きとか)が、中心にある秩序を強化するように働く、ということがあるのだ。これを「ポジティブ・フィードバック(好循環)による自己組織化」と呼ぶ。
ちょっとまとめよう。
1) 「ゆらぎ」という偶然により、小さな秩序が生まれ、
2) その小さな秩序がほんの少しだけ全体を動かし、
3) その全体が、小さな秩序を強化するように働く、
ということである。
そして、この強化された秩序は、さらに全体を動かし、その全体が、さらに秩序を強化するように働く……という相乗効果(好循環)が発生し、何もないところに、突如、信じられないような秩序が生み出されることもあるのだ。
この、「部分が全体に影響し、全体が部分に影響する」という相互作用は、今までの科学の概念になかったものである。
「ゆらぎ」によって生まれた小さな秩序でも、全体に大きな影響を与え、とてつもなく強力な秩序を生み出すことがあるのだ。
そう!だから、
消えてしまいそうな、個人個人のその小さな想い、小さな祈りでも、世界を変えることもできるのだ!
だから、ボランティア…革命家…新興宗教、そういった少数による活動も、決して無駄ではない!みんな、がんばれ!!
僕たちも「自分にも出来る小さなこと」からはじめてみようじゃないか!
え?逆のネガティブ・フィードバッグ(悪循環)ていうのもあって、ほとんどの場合、全体から叩き潰されるの?
…………………。
みんな、がんばれ!!

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