相対性理論

アインシュタイン相対性理論は、難しくて常人には理解できないと思われがちだが、そんなことはない。発想を知ってしまえば、非常に単純なものだ。

まずは、相対性理論誕生の背景から説明しよう。

そもそも、アインシュタインの時代に「マイケルソン・モーリーの実験」という有名な実験があったのだが、この実験結果があまりに不可思議であったため、物理学はこの結果を説明するための新しい理論を構築する必要性に迫られていた。

その不可思議な実験結果とは何か……。

それは、「地上のどの方向から観測しても光の速度は一定である!」という衝撃の実験結果であった。

なぜ衝撃的かというと、地球は、地上からだと止まっているように見えるが、実際には、宇宙空間をものすごいスピードで移動、そして回転しているのである。それにもかかわらず、どの方向から観測しても、光の速度は変化しなかったからだ。

それはおかしい。

たとえば、

 車(時速 50km)    A君(時速 5km)
 −−−−−→    ←−−−−−

のようなとき、
A君は、車の進行方向とは逆に運動しているのだから、
「A君から見た車の速度」は、「50 + 5 = 時速 55km」となる。

だったら、

 光(秒速 30万km)   A君(秒速 10万km)
 −−−−−→    ←−−−−−

         ・B君(秒速 0km)

の場合は、

・運動しているA君からみたら、光は「30万 + 10万 = 秒速 40万km」
・静止しているB君からみたら、光は「30万 + 0 = 秒速 30万km」

となるはずだ。

でも、「マイケルソン・モーリーの実験」によれば、そうはならない。

「マイケルソン・モーリーの実験」の結果が示している事実は、
観測者の運動に関係なく、光の速度は一定である
ということであり、
つまり、上図の場合では、A君から見ても、B君から見ても、光の速度は、「秒速 30万km」と同じということになる。

これは、「矛盾」だ。

矛盾があったときはどうすればいいか?

簡単だ。
矛盾が起きないように、既存の方程式を書き換えちゃえばいいのだ。

アインシュタインもそう考えた。


観測者の運動に関係なく、光速度は不変です
というのが実験結果の結論なのだから、それを素直に受け入れればいい。
そこで、アインシュタインは、
絶対に光速度が変化しないように、力学の方程式を無理やり修正しました(^^)v
とやったのだ。
(つまり、「光速度は常に不変」を「公理」として、新たに理論体系を構築したのである)

そうすると、どうなるのか。
そもそも、速度とは、

速度 = 距離 ÷ 時間

である。
それで「速度が一定」なのだから、 こうなったら、もう「距離」と「時間」の方を変えるしかない!

つまり、秒速 10万kmで運動しているA君と、静止しているB君が、光を同じ速度で見るためには……、
それぞれの「距離」と「時間」を
無理やり調節するしかなくて、
そうすると結局、
「観測者毎に、時間と空間の定義が異なる」
という以下のような、相対性理論としてお馴染の法則が導かれる。

1)物体が、光速に近づいていくと、時間の流れが遅くなっていく。
2)物体が、光速に近づいていくと、その空間(長さ)が縮んでいく。

というわけで、相対性理論の「運動すると、時間が遅れる」ということについて、感覚的にはわかってもらえたと思う。

相対性理論は、アインシュタインが、いきなり思いついたわけではない。「マイケルソン・モーリーの実験」という矛盾を解決しようとする時代の流れの中で生まれたのである。

(補足)
なお、上記までの話は、正確には「特殊相対性理論」と呼ばれるものの説明である。「一般相対性理論」については、またの機会に。

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