輪廻転生(1)

輪廻転生……。生まれ変わり……。前世……。
東洋系の宗教で、よく聞く与太話だが。

それって、本当にあるのだろうか?

そもそも、キリスト教の影響が強い西洋では、
「生まれて、死んで、審判を受けて、天国か地獄へ行く」という、
「ただ一回の生」しか認めていない。

まぁ、少なくとも、どっちかがウソを言っているわけだ。
(もちろん、どっちも、自分は真理を言っていると豪語しているわけだが)

じゃあ、輪廻転生は、ウソなのだろうか?
いやいや、そう結論するのは、まだ早い。
偉大な先人達の教えは、そう簡単に切り捨てられるものじゃない。

だって、「前世の記憶を持つ転生者」 が世界中にたくさんいて、
「輪廻転生した」と証言しているではないか!
なにより、輪廻転生のたしかな証拠として、
チベット仏教の「ダライ・ラマ」がいる!

チベット……、なんて神秘的な響きだろう。
インドもそうだが、僕たちは、チベットという場所に対して、
ものすごく神秘的なイメージを持っている。

「チベット(もしくはインド)の奥地には、
 ストイックに真理を探究している人たちがいて、
 そこには、本当の宗教と教えがある」

そんな憧れにも似たイメージを僕らは持っている。
(精神世界や東洋哲学にハマッているココロの弱い連中ほど、
 その傾向は強い)

その、チベット仏教が「輪廻転生」があるって言っているんだよ?
他の戦争ばっかりやっている宗教や、うさんくさい新興宗教なんかが、
言っているんじゃない。

チベット仏教の悟りを開いた高僧たち……
そして、その最高峰が言っているんだよ!?
「ワタシ 輪廻転生 シマシタ〜。シンジナサイ」って。

もし、チベット仏教までも、
どこぞの新興宗教と同じように、信者を騙すために、
ウソばっかり並べていたとしたら……、
もう、宗教なんて信じられませんよ、ホント。

じゃあ、そのチベット仏教の歴史を追ってみましょう。

そもそも、

「民衆を救済するために、何度も生まれ変わって、世界を導いてくれる」

というダライ・ラマ制度は、
1578年、モンゴルの王族アルタン・ハンから
「ダライ・ラマ(大海上人の意)」
という称号を与えられるところから始まります。

って、おい!1578年!?

歴史的に言えば、つい最近じゃねえか?
昔から、あったわけじゃないのかよ!!