力(ちから)

「力とは、物体の状態を変える相互作用である」

この世のすべての物理現象は、何らかの「」の作用によって、起きている。ボールが転がるのも、リンゴが木から落ちるのも、全部そうだ。なにからナニまで、すべては、「力」のなせるワザである。

だから、「力」とは、すべての物理現象を引き起こす原因であると言え、その「力」について、完全に解き明かすことができれば、すべての物理現象を説明できたと言える。そこで、物理学者たちは、「力とは何か?」ということについて、はるか昔から研究を重ねてきた。


ところで、「力」という言葉をきくと、暴力とか、権力とかのように、何か一方的なものを想像しないだろうか。
ようするに、

おまえのものは、オレのもの!オレのものは、オレのもの!

のように、AがBに対して、一方的に作用を与えるようなイメージだ。
そして、力を行使する方を「強者」と呼び、力を行使される方を「弱者」と呼ぶ。

しかし、実のところ、現代物理学において、「力」とは、このような一方的なものではなく、2つの物体の間に働く『相互作用』だと言うことがわかっている。相互作用とは、「互いに影響を与える」という意味である。

この考えに従えば、「リンゴが、地球の引力に引っ張られて落ちた」という言い方は適切ではない。この表現では、地球がリンゴに対して、一方的に力(影響)を与えて、リンゴだけを動かしているように思えてしまう。

正確には、「地球とリンゴの間にお互いを引っ張り合う力」が発生し、その力によって、地球とリンゴが動いた結果なのである。
(もちろん、その力で地球が受ける影響は、ものすごく小さいので、まるで「リンゴが地球に引っ張られた」ように見えるというわけだ)

ここが「力とは何か?」を考える上で一番重要な点だ。
この相互作用の話は、重力だけではなく、現代物理学で解明されている「すべての力」に共通することである。



すべての力は、プラス電荷とマイナス電荷、N極とS極、男と女、のように、ある物体と物体の間で発生するものであり、そして、必ず両方に影響を与えるような仕組みで働く。
つまり、力とは、本質的に、相互作用なのだ。

この世界に、「一方的に相手に働きかける力」というものは、存在しない。

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