エントロピー増大の法則が成立する理由
「自然(世界)は、時間とともに『秩序から無秩序へ』という方向に進む」
これを
エントロピー増大の法則という。
では、なぜ、エントロピーは増大するのか?
それは、こういう結論になる。
「
偶然だよん。ただの結果論♪」
いや、これホント。
ちょっと、こんな例を考えてみよう。
たくさんの粒子が運動しているとする。それぞれの粒子は、別の粒子と衝突したりして、グチャグチャと動き回っている。この衝突による粒子の運動には、特別な意思があるわけじゃないので、粒子は、ランダムに動いていると考えて良い。
さて。
粒子がみんなランダムに動いているとしよう。
そうすると、どうなるか・・。
確率的にいって、必ず、粒子の塊はじょじょにひろがっていく。
「
自然は、時間とともに、無秩序な状態になっていく」というエントロピー増大の法則の正体は、実は、こんな単純な話だったりする。
だから。たとえば、周りを漂っている何百万の粒子が、一斉に中心に向かって、動いたら、当然エントロピーは減少する。そして、その偶然が続けば、コーヒーに混ざったミルクが、分離することだってありえる。
もちろん、すべてのミルク粒子が、一箇所に向かって動くなんてことは、確率的にないと言ってよい。
というわけで、
実を言うと、エントロピー増大の法則は「
確率的に正しい」のであって、ものすごい低い確率では、
エントロピーが減少することもあるのだ。